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清く 正しく 愛欲深く
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講義レジメの隅にいつの間にか書いてあった雨月×G小話を文字に起してみました。自分、いつ書いたんだろう、これ……突然始まって、突然終わります↓




ちりり、と肌をやかれる衝動に顔を上げ、こちらを見つめる鳶色の瞳に気がついた。何か用か、と問いかけようとして、ああそういえばこいつにオレの言葉は伝わらないんだったな、と思い出す。向けられる眼差しは物珍しさかそれとも別の何かなのか、それを問う術が思い当たらず、オレは手入れ途中だった銃に視線を落とす。手元のそれをテーブルに置いたところでふ、と目の前に影が差し、再び顔をあげたところでいつの間にか触れ合うほどに近づいたその瞳に囚われた。
『……すみません、』
身を引きかけたところで耳に響いた声は低く掠れていて、鼓膜を心地よく揺らす。
『少しだけ、ですから――』
紡がれた言葉の意味は分からなかったが、向けられた視線のあまりの真剣さにオレは瞬きすらできなかった。そっと、目の前の男の手が頬に添えられる。その冷たさに震えたオレに、かれは微笑んだ。何度も肉刺が出来ては潰れた硬い指先――ああ、そういえばこの男は東の小さな島国に伝わる酷く美しい銀色の武器を扱うのだ――がオレの顔の刺青を優しくなぞり、最後に唇にたどり着く。ウゲツ、と覚えたばかりの彼の名前を紡いだ次の瞬間には、口付けられていた。
『愛しています』
触れるだけの口付けの後、ウゲツは静かにそういった。オレはそれまで忘れていた瞬きを唐突に思い出し、ゆっくりと瞬きをしてからその鳶色の瞳を見つめ返す。愛しています、彼はもう一度そういった。異国の響き、異国の言葉。その全てに覚えはないはずなのに、耳に響く彼の声は酷く優しく感じられた。向けられた彼の細められた瞳が、今にも壊れそうな気配を湛えていたからかもしれない。
泣くんじゃねえよ、そう伝えたくて、愛しています、と呟く彼に、アイシテイマス、と同じ言葉を繰り返してみる。ウゲツは一瞬目を見開いて、そして少しだけ悔しそうに笑った。そうして寄せられた唇は、まるで自由にならない言葉の代わりとでも言うように激しく、切なかった。
彼の口づけはいつも、雨の香りがした。






++++++++++++
G様ならきっと日本語も堪能だろうけど、全く言葉の伝わらない二人、っていうのも素敵。『ラブ/アクチュ/アリー』的な感じ?
雨月さんは勝手に年下攻め希望。雨月さんはきっときらきら年上のきれいなお兄様Gに一目ぼれしたんだよ、よとか夢見がち発言をしてみます。雨月さんが敬語なのは私の趣味なのですが、一回やってみた感じなんかイメージに合わないので、やっぱり山本口調がいいかな、うん。
次はG×24歳獄寺君を書きたいな、とひっそり目論んでます。

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